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天波由々(あまなみゆゆ)の書くBL小説です。ハッピーエンドBL好きなので、同じような方に楽しんでもらえたら嬉しいです。

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ぎゅっ…と、して? 30

これはBL小説です。間違って来られた方は、回れ右をお願いします。



「父さんも … ?」

あの穏やかな父が、とは想像しにくい。

しかし、家長であり、この国ではライ族の長だ。

そのくらいはあって当たり前なのかもしれないが。

(父さんはああ見えて、行動力とかあるんだろうな。
今の自分と同じ歳には旅に出ているわけだし。
それに比べると、自分は … )

グィートと自分を比較して少しへこんでいると、心配そうにジョアが顔を覗きこんでくる。

「おまえがさ、この国を出て花嫁探しに行くとなれば、追いかけるほどの奴はいないかもしれないけど、そのまま独り身でここにいたらまずいと思うぜ?
 これは俺の考えだけどさ、親父さんも若い頃にそういうのがあって、旅に出たんじゃないのか?」

「あ … 」

そう言われてみると、そういう気もしてきた。

もちろん花嫁探しが目的だろうけど、背景にそういうことがあったのなら、思い切りよく国を出るということができたのかもしれない。

「そうなのかな … 」

今すぐ父親に訊いてみたい気持ちでいっぱいになるが、週末までは、忙しい仕事の邪魔をしてはいけないだろう。

手伝いに行く、というのも、クロウを手伝うと言った手前、おいそれとはできない。

「親父さんのように、積極的に相手探しをした方がいいぜ。
 クロウって奴が好きなら、さっさと結婚するとか」

(好き?)

その言葉に、ティオの胸がどきっとした。

途端に、ばくばくと心臓が暴れだして、顔がかーっと熱くなる。

自分でもびっくりするほどの激しい反応に、ティオはうろたえた。

(なにこれ? なんでオレ、こんなにドキドキしているんだろ?)

「なんだ、やっぱりおまえ、そいつに惚れてるのか」

目を丸くして言うジョアに顔が真っ赤になっていることを指摘されて、ますますティオは焦った。

「そんなっ、オレがロウを好きだなんて!
 こ、これは病気なんだよ、この前からおかしいんだから!」

「病気? なんの?」

「いや、だからさ … 」

訝しげに問うジョアに、どうしてこんな流れになったのかと内心不思議に思いながら、ティオは最近の変調をぽつぽつと話した。

それで?と何度も訊かれるので、あれもこれもと正直に暴露する。

ひと通り聞き終えると、ジョアは確信したように言った。

「おまえ、しっかりそいつに欲情してるじゃん」

「よくじょう … ?」

この場合、「浴場」ではないはず … と頭を巡らせると、「欲情」という単語が浮かんでティオは瞠目した。

またもや、「まさか」という言葉が頭の中を乱舞する。

「 … うそだ … 」

「いや、それはりっぱな性欲だろ。
 好きな相手を前にするとそうなる正常な反応だ。
 おまえ、自分の気持ちに気づいていなかったのか?」


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